開催日時 2016年3月13日(日)13:30~15:30
担当教授 桐木陽子教授(松山東雲短期大学 キャリア支援部長)
受講人数 20名(男性5名:女性15名)
第2回は松山東雲短期大学 キャリア支援部長 桐木教授に「女子学生の現在を知ろう」というテーマでご講演いただきました。
◆学生たちをどんな社会に送り出そうとしているのか。
2016年4月女性活躍推進法に施行にふれ、今まで女性が置かれていた状況をご説明いただきました。
◎1985年をピークに人口減少がより深刻になってきており若い世代への社会保障などの負担が大きくなることへの懸念。
◎女性は結婚や育児などでいったん労働市場から離れ、一区切りつくとまた戻ってくるためにM字型就労となっている。このM字型が残っているのは韓国と日本だけ。
愛媛県で女性が働く現状を参加者で話し合い、出てきた課題は・・・
◎仕事は男性並みにしなくてはというジレンマ
◎女性が家事育児をやるべきという男性からの無言のプレッシャー
◎子どもを預かってほしいけど保育所がない
◎法律が整備されても取り入れている事業所が少ない
◎前の世代がやっていないから自分には無理と思ってしまう
いくら法律や制度が整っていてもこのような雰囲気の残る職場では使われることのない制度となってしまうということを共有しました。
【女性活躍推進=働き方の改革】
女性だけの問題ではなく、男性も含めて働き方の改革、意識を変えることが急務です。実際のところ、長時間労働と生産性は逆相関関係にあり、諸外国の調査でも、労働時間が長いほど生産性が下がり、限られた時間で生産性を上げる国が競争力、GDPが高いという結果が出ています。人間は機械ではない!長く働いても生産性が落ちないのは機械だけです!
◆アンケート結果による学生のライフデザインの現状について
※H27.12月~H28.1月に愛媛県内の大学生788名を対象に行われたもの(未公開)
・働く目的はお金を得ること(奨学金返済義務を負っている学生が多い現状がある)
・就職先を決める基準は社風や雰囲気(社会へ対する不安が隠されている)
・就職先は愛媛を圧倒的に希望している、結婚は是非したいと思っている
・結婚したら夫婦共働きをしたいが多数派
・家事と育児は分担するのがいい
・仕事と家庭生活を共に大切にしたい(ワークライフバランスを願っている)
・学校現場では男女平等(→真逆の社会に出る)
・職場では男性が優遇されてると思っているが大多数
アンケート結果より、桐木先生の印象深かったコメントとして、「学校では男女平等でも、社会通念や風潮は男性が優遇されている現状があります。私たちはどんな社会を学生に提供できるでしょうか」。風通しよく能力を育てる企業風土の企業もあるが、出る杭は打たれる実情もまた存在します。「完璧な人間はいない、いろんな人間がいる多様性を受け入れ、足りないことは気づかせてあげて育てる気持ちが大切です」。
個人主義や能力主義が間違って導入され、自分のことで精一杯という時代がありました。その間違いを改め、多様性の意識を柔軟にし「若い人も頑張れる社会に送り出したい」ということを強く願うと共に、改めて私たちには何ができるかを考える機会となりました。
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